3/23日に発表させていただきました、
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの安藤雅人です。
今回、”繰り返すランナーの障害”というタイトルで発表させていただきましたが、
”すべて逆転の発想” というサブタイトルが付きそうな内容にしました。
スポーツ選手を主に見ていることもあり、
何度も同じ部分を痛める選手もしくは障害部位は違っても怪我続きの選手って身近にいませんか?
僕もトレーナーとしてリハビリ業をしていた時に、そんな選手が幾人もいました。
原因は何だろうと模索する日々が続きました。
痛いところに対して治療を施し、トレーニングや動作改善メニューを行う。
そして、その組織は順調に回復した頃にまた同じ部分が痛くなったりする、
もしくは徐々に練習参加したが新たな箇所を怪我する、
という経験しているリハビリ業の方やトレーナー、選手は少なくないと思います。
その結果、復帰まで長引いてしまう選手、復帰できなくなる選手はいると思います。
病院医療で多かった治療介入パターンとしては、
障害部位からの治療展開です。
怪我した部分を徹底的に調べ上げてそこから推測や仮説を立てて、
治療計画をたてるパターンです。
局所の評価やチェックは、
損傷度合いやリスクを把握するためにも大変重要なものになります。
なので私も当然局所の評価はさせていただきます。
今回、私から提示させていただいたのは、
身体バランス全体から治療展開する方法でした。
実際に私のところでも業として行なっているように、
ロールプレイングとして治療介入方法を勉強会の中で説明と実践させていただきました。
通常の治療介入のパターンと真逆なので、
混乱した方も多いかと思います。
勉強会最中に参加者の先生方にアンケートを取り、
最も身体バランスが崩れ、
さまざまなところに違和感を覚えている先生をモデルとして治療させていただきました。
少し体のバランスを整える作業をすることで、
実際にモデルとなった先生の機能がいたるところで改善したというところを目の当たりにされたかと思います。
臨床の現場でも、
痛みがある部分ではなく体全体を整えた結果、
痛みが消失したというケースはよく見受けられます。
伝えたかったことは他にもあります。
・客観的評価から主観的評価
客観的評価はセラピストが数字にあらわし、
第三者の目線でチェックし選手の状態を評価することです。
他のセラピストの先生と共通認識をもつためにこれもまた大切なことです。
主観的評価というのはセラピスト側ではなく、選手の主観を大切にした評価です。
痛みを訴えているのはこちらではなく選手という考えからです。
なので最終的には選手の主観にこだわり治療を展開していきます。
・感覚の重要性
選手本人の感覚は、トレーナーが計り知れないぐらい敏感だったり、
疲労や痛みが重なり鈍感だったりします。
トップ選手になればなるほど、僕のような凡人が思いつかないぐらいの感覚の表現をする傾向にあります。
その感覚と体の評価の一致は切っても切れないとても重要なものだと考えています。
身体評価と一緒に本人の体性感覚をしっかり聞き取ることで、
脳と身体が繋がるのかと思います。
・成熟度
エクササイズだったり、
身体の感覚だったり、
早々に見切りをつけないで探っていくようにこだわっていくと、
選手の身体は研ぎ澄まされ素晴らしい反応を示します。
その結果、異常感覚はすぐに体性感覚として脳に知らされ、怪我の予防にもなるかと思います。
私の発表は以上になります。
今回、発表するまでの準備で協力してくれたクライエントさん。
そして、原稿チェックしてくれた松下先生に拝謝いたします。
ありがとうございました!!